シャフト加工など金属切削加工に用いられる材料(素材)と条件

シャフト加工など金属切削加工に用いられる材料(素材)と条件

切削加工はあらゆるものが材料となる

切削加工はたいていの金属が加工できるという特徴があります。様々な金属加工法のなかでも、たとえば鋳造(溶解した金属を鋳型に流し込み成形する加工法)では流動性が高いことや融点が高すぎないことが必要であり、プレス加工や押出加工といった塑性加工(機械的力により材料を変形させる加工法)では延性が大きいことが必要となります。

しかし切削加工では原理的には切削工具の硬さが材料の硬さより高いという条件があるだけといえ、実に様々な材料に対応できます。弊社が得意としている精密シャフト加工でも、この切削加工が用いられています。

鉄鋼材料

鉄鋼は金属製品や部品の中で最も多く用いられている材料です。世界中で使われている金属材料のうち重量ベースでで95%が鉄鋼であるとされ、歴史的には紀元前3000年ごろから利用されてきたともいわれている、人類にとっては現在においてももっとも重要かつ身近な金属のひとつです。

大量に存在するため安価であり、加工性がよいことから広く利用されています。鉄はそのままの状態(純鉄:明確な区分はないが炭素含有量約0.02%以下程度)として利用されることはほとんどなく、大部分は鉄(Fe)と炭素(C)の合金の形で用いられます。そして一般に約2%以下の炭素と、その他の成分を含むものを鋼とよびます。

鋼には炭素(C)以外にもケイ素(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)、硫黄(S)という元素が含まれ、これらの元素を鋼の五大元素と呼ぶこともあります。

炭素鋼

鉄と炭素の合金(鋼)のうち、炭素含有量が通常0.02~約2%のものを炭素鋼といいます。炭素鋼は炭素含有量や硬さによって更に次のように分類されます。

硬さによる分類の場合、柔らかい順に極軟鋼、軟鋼、硬鋼とよばれます。炭素含有量(質量パーセント濃度)での分類の場合は低炭素鋼(0.25%以下)、中炭素鋼(0.25%~0.6%)、高炭素鋼(0.6%以上)と分類されます。※分類は厳密に定義付けされているわけではなく、資料や文献によって扱いが異なります。

そしてこのうち低炭素鋼と中炭素鋼は一般に広く利用されているため普通鋼と呼ばれています。炭素鋼は炭素含有量が多くなると引張強さとかたさが増し、伸びが小さくなります。

鋼に炭素以外のさまざまな元素を加え、高度、強度、耐熱性、耐食性、加工性などの特性をもたせたものを、普通鋼に対して特殊鋼とよびます。

ステンレス鋼

特殊鋼に分類される材料の代表的なものがステンレス鋼です。ステンレス鋼は主に鉄(Fe)にクロム(Cr)を含有する合金です。日本工業規格(JIS G 0203)ではクロム含有率を10.5%以上、炭素含有率を1.2%以下とし、耐食性を向上させた合金鋼と定義されています。ステンレス鋼は耐食性のほか加工性、耐熱性などに優れているうえ、不動態被膜という保護皮膜を表面に形成するため、美しい状態を維持できるという特徴をもっています。

クロムのほかにニッケル(Ni)やモリブデン(Mo)などを添加して更に錆びにくさを改善したり、低温でも高温でも使える性質や様々な形に加工できる性質を付与したりなど、ステンレスは幅広い用途で利用できる材料です。

用途範囲は非常に広く、天然ガスプラントや原子力発電所などの化学工業設備部品や航空機部品、先端医療部品、建築材料から厨房用品や家庭用のキッチン、自動車に至るまであらゆる製品に利用されています。

もちろんシャフト加工においても一般的な材料であり、弊社においては住宅・建機関連部品や医療機器部品においてステンレスが用いられています。

非鉄金属

鉄以外の金属の量が鉄に比べて圧倒的に少ないため、便宜的に鉄以外の金属をまとめた呼び方が非鉄金属です。

代表的な非鉄金属として銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)およびそれらの合金が挙げられます。

真鍮

真鍮(しんちゅう)は銅と亜鉛(Zn)の合金であり、黄銅ともよばれています。

真鍮は亜鉛の含有率によって性質が異なり、代表的なものは銅と亜鉛の割合が7:3であるC2600(黄銅1種)や銅と亜鉛の割合が6:4であるC2801、C3604などがあります。真鍮は工業機械などの歯車はもちろん、管楽器や金属模型、弾薬の薬きょうなどに用いられています。

弊社のシャフト加工においても真鍮は広く利用されており、産業機械関連部品や自動車関連部品の製造を承っております。真鍮の少量多品種の2次加工も得意としております。

アルミニウム

アルミニウム(Al)は常温常圧で良好な熱伝導性・電気伝導性をもち、錆びにくく加工性がよく軽量(重量は鉄や銅の約1/3)であるため広く用いられています。

代表的なものは日本人なら見たことはあるであろう1円玉です。飲料品の缶から自動車や自転車の部品、新幹線をはじめとする鉄道車両にもアルミニウムが利用されています。

弊社では技術力アピールと社員全体の加工技術向上を目的として、本業の合間に下記のような展示物も製作しております。創業70年以上の技術と信頼・実績をぜひご覧くださいませ。


弊社ではSUS303,304、C3604、S45C、A5056の丸棒についてΦ80までのサイズを常に在庫しているため、工具さえあればごく短納期にも対応可能です。シャフト加工にお困りのお客様は是非お問い合わせくださいませ。

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