測定機器強化の経緯
本来であれば作れるのであれば、実際に作ったモノを測って保証するところまであたりまえではあるのですが、恥ずかしながら弊社ではこれまで作ることは出来ても、測ることが出来ないことがありました。そのようなケースの多くが、熱処理や研磨といった協力企業にも依頼している加工品において発生しており、その時点では協力企業の測定結果を信用するしか術がなかった製品が多くあり、お客様にも何点か測定して頂くこともありました。
そんな状況の中で昨年11月にものづくり補助金を利用させて頂き、通常であれば熱処理企業様に常設されているロックウェル硬さ試験機と、アナログながらも保有している測定機では長さが足りない加工品が増加していたため偏芯測定機、同じくご注文頂く加工サイズが大きくなってきていることからより測定サイズの大きい画像処理測定機を導入出来たことで、測定効率が格段に向上すると共に、協力企業に依頼している工程に関する品質保証についても強化することが出来ました。
偏芯度、同芯度の重要性
シャフトを加工する際には図面には記載されていなくても最低限の同芯度や同軸度、偏芯度が求められており、特に研磨が絡む精度品は多くの図面に幾何公差の指示があり、全く記載のない図面においてもある程度まで同芯度や同軸度が問われます。弊社ではセンター間600mmまでの加工であればセンターを利用して一貫加工が可能となっており、同芯加工にも対応しています。
熱処理後の指定部位の硬度も実測可能
今回導入したロックウェル硬さ試験機は、HRC、HRV、HRAでの硬度実測が可能のため、材質毎に異なる試験硬度にも柔軟に対応可能となり、材質が解らない現物を測定して加工する依頼品に対しても、現物の硬度を測定して自社で測定してリスト化してある硬度表を基に材質や熱処理などを特定、材質から現物に合わせた加工を行うことも可能になりました。
非接触・接触共に測定が可能な画像処理測定機
これまで弊社はΦ100程度までの加工品が多かったことからキーエンス社製の画像処理測定機による測定を多用していましたが、加工品のサイズ感が拡大し、長さもこれまでよりより長くなってきており、かつ非接触だけでは十分に測定することが出来ない部位も多くあったことから測定自体もかなりの工夫を必要とし、高度化してしまっていましたが、今回接触測定も可能なプローブ付きの画像処理測定機を導入したことで、穴径同士の位相や内径溝の関係性等も測定することが可能となりました。