【旋盤屋社長の日常〜その3〜】

第3回は加工出来るとは

『貴社で対応可能でしょうか。可能であれば見積もりをお願いします』お客様からだけでなくHPからの問い合わせでも一番多い内容です。正直に言えば加工は出来ても測れない、つまり図面通りに加工が出来ているか証明する方法がないケースが多々あります。特にネジに関しては一般的な機械加工屋であれば軒並み雄雌問わずネジゲージによる管理を標準にしていることが一因としてあります。

当社は旋盤屋としての社歴が長いため雄雌共にネジゲージを多数保有しています。(先日数えたらダイスと呼ばれる工具は凄い数ありました)しかしネジ加工のある量産品に使用しているネジゲージは仕様によってゲージが摩耗してしまい本来必要な精度を確保出来ていないケースもあるため、定期的な買い替えが必要です。

そのため問い合わせを頂いた際には一般的なネジ加工であればそこまで時間を必要としませんが、あまり見ないネジ規格だったりすると加工可不可の回答と共にネジゲージの有無についても確認したり必要となるネジゲージの価格等を確認してから回答することになるため多少お時間を頂く場合があり、ネジゲージもしくは相手物貸与でも図面にネジの規格について記載がない場合は同様にネジ規格を調査するところから始まるため気軽にお答え出来ないケースもあります。

当HPで掲げているシャフトについても加工出来る=測定出来るでは600mmが限度でありそれ以上の長さがあるシャフトは近所の専業メーカーさんに相談に行くケースも多く、逆に単品を得意としている会社さんなので短めのシャフトで少し数があると当社に相談に来るといった関係が成り立っており、スタッフが若い当社にとっては現場レベルでも技術的な相談が出来るため大変感謝しています。

加工に用いる工作機械は一回の操作で複数部位の加工が出来るようになり、より一度に完成に近い形にすることが出来るようにと効率化や合理化が進んでいますが、その一方で加工の前段階として加工プログラムの作成やそれ以外の準備は多くなっており、その準備を行うための労力は作ることへの理解度が大きな影響を与えるため、これまで以上の教育や訓練が必要になって来ています。

お客様からの問い合わせには常に『はい、出来ます!』と言いたいところですが中々簡単に言えない時代になって来ているように感じるのは部品図面の高度化もあると思いますが、やはり設計者と加工者がコミュニケーションを取りながら仕事を進められる環境が一番なんだろうなと考えざるを得ません。

もしこれをお読みになった方で設計に従事されている方がいらっしゃいましたら是非加工実務者との接点を持って頂きたいと考える次第です。今回もご一読ありがとうございました。

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