【メーカー希望の就活生こそ、ものづくりはリアルを知ってから】
ネットで何でも検索出来る昨今、ある程度まで解ったような気になるだけに、かえって自分が実際に働き始めた際に業務内容と社会との繋がりに対するギャップが広がっているように感じます。
当社は相模原市にある峡の原(はけのはら)工業団地という場所で工業団地の設立と共に50年に渡って金属機械加工を営んでいます。
鉄工所という社名ではありますが±0.1から今は0.005までの精度を求めて部品の加工に励んでいます。世の中で多く使われている装置や機械は何もかもが最新技術ばかりで世の中が成り立っているわけではなく、かといって古い技術ばかりで成り立っているわけでもありません。当社は今年で創業76年目、法人化して56年目を迎えることが出来ていますが、全てはお客様の様々な要求に応え続けられているからこそ続いていると考えています。
当社のお取引先は上場企業から数人で営む自営業の方に至るまで。ビジネスである以上これまで様々な形でご縁を頂いていた中でお互いにメリットがあるお客さんだけが長く関係を築くことが出来ているといっても過言ではなく、それほど規模には大小があっても長きに渡って事業を続けていくことは甘くないのが現実です。
だからこそメーカーでの就労を希望する方には、その末端として長きに渡ってメーカーを下支えしている部品加工屋の当社のような会社が、今現在やっていることのリアルを見学して欲しいと考えています。また長きに渡って同じ工業団地の一員をしていることもあって、経営者同士は割と近しい間柄の方も多く、希望があれば周辺工場の見学もアテンドすることも可能です。おそらく今は見ても解らない事ばかりかも知れませんが、実際にどのようなプロセスで加工されているのか等をある程度知った上でメーカーに就職した方が良いのではないかと考えています。
【当社の工場見学で得られるもの】
当社は創業より75年に渡って部品加工一筋。つまりお客様の図面が無い製造・販売した経験がほとんどありません。お客様は時代の要求に合わせて様々な変遷があり、特にこの2〜3年は営業活動を行わなくても必然的に半導体装置や半導体関連の部品に辿り着くような風潮に製造業全体が飲まれてしまっているように感じます。
以前であればそれは自動車であり医療だったり。その時々に必要とされていくる中で継続的にお取引頂くお客様は当社の品質や価格や納期への対応にも、ある程度ご満足頂いているからお取引を続けさせて頂いているものと考えています。
それってつまりどういうこと?
当社のお客様は時代の移り変わりに関わらず仕入れ先の雇用も守りながら自社のものづくりを怠らない良いお客様であると言えると考えています。自社の売上や利益を上げることだけが大企業の役割ではなく、社会の公器としての社会的使命であり役割もあるものと考えられます。仕入れ先とも良好な関係を築く続けていることが出来ているからこそ、自社の製品開発や販売を他の競合メーカーと長いスパンで競い合うことが出来るものと考えています。つまり本当に良いメーカーを知りたいと考えるのであれば当社のようなメーカーを下支えする部品加工屋にこそヒントがあるとも考えらます。
【もし自身でも作ることに興味を持ったら】
当社は私も含めて僅か9人ほどしかいない会社ですが、何と内3人は新卒入社です。喜んで履歴書拝見させて頂きます。もちろん私の紹介出来る会社であるならばアポイント取ることだって可能です。
若いからこそ許される図々しさは大いに発揮するべき。
ちなみにこれは皆さんと同じく就活解禁を迎えた息子へのメッセージでもあります。就職活動、頑張ってください。
記事トップの画像は事業再構築の際に自身の部屋として使うつもりで気合を入れて工事を進めた恒温加工室の壁と床の途中風景です。
2020年3月2日 株式会社 大塚鉄工所 代表取締役 大塚 正浩(1児の父)